本能:意識は無意識(潜在意識等)に司られていると言いました。そし
て、意識は反射という行動の二次的なものだとも。確かにその通り
の行動メカニズムは現代の脳科学の知見が証明していますから、素
直に認めなければなりません。
われわれの日常的なほとんどの行動は、生後の模倣や経験と、学
習能力によって習得した行動様式の反復行動であって、意識的な行
動はあり得ないものとされています。だからといって、その二次的
な意識が不必要であるということではありません。先にも言いまし
たが、言葉と思考と、そして道具を創り出したのは、他でもない理
性です。その理性が人間をここまで進化させてきたのですから。
言いたいことは、今、その理性が暴走をはじめ止められない状態
にあるということに、われわれの理性自身が気付かなければならな
いのです。それが理性の責務だといいたいのです。その為には、本
能の機能や無意識の働きを正しく知ることが理性自体の働きを正
常にし、且つ最大有効に活用することに繋がるのです。
次に示すことを実践すれば、潜在意識の活性化と理性のパワーア
ップも可能です。
意識と無意識は互いに関連し合っているといいました。そして、
意識は無意識によって司られているとも言いました。これを逆に働
くようにすれば、つまり意識で無意識をコントロールできれば、ど
んなに素晴らしいことができるのだろうか、ということです。
実際のところ、一般では催眠とか、心理療法や宗教でよく使われ
ているマインドコントロールというものがあります。これは「暗示」
というものですね。
この暗示は他者が意識的に、患者や信者の無意識の領域に働き掛
けることをいいます。これを自分でする方法が、いわゆる「自己暗
示」です。
人間は日常でも知らず知らずに自分に暗示を掛けているのです。
意識が無意識に影響を与えているのです。それを有効に応用するこ
とです。
例えば、マイナス思考が良くない結果として現れる現象はよく体
験する問題です。それをプラス思考に変えていくことで、結果も自
ずからプラスに変わっていくというものです。
何かことに当たって、自信の無さ(マイナス思考)が気弱になり、
オドオドした態度が失敗に結びつくことはよくありますね。これも
一種のマイナス自己暗示です。これを、自信を持って(過剰でもい
けませんが)、プラス思考でことに当たれば、意外と良い結果が得
られることがあります。その際、どうしても自信が持てない人は、
ダメモトくらいの開き直りで対処することです。必ず開けます。
要するに、日常的に意識をアクティブ且つポジティブに保ち、確
信的な思考(具体的欲求等)、「何を求め」「何に成りたいのか」の
達成イメージ等を自己暗示し続けると、潜在意識はその思考で満た
されることになります。そして終には、その具体的欲求が潜在意識
(無意識側)から顕在意識にフィードバック(反映・帰還)するこ
とができるようになるのです。このことは、〈自己実現の原理〉と
呼んでいるものです。
《自己実現への実践項目》
・常になりたい自分になっていることをイメージ化する。(潜在
意識への自己暗示)
・真の自己への絶対的信頼。
・アクティブ(活動的)&ポジティブ(肯定的)に生きる。
・すべてに感謝の祈りを。(すべてに対する無分別な愛を育む)
・何ごとも真の自己実現の為の経験チャンスと捉える。
・現在の価値観を常に点検し直し、高め、意識的価値判断を休止
できるまでにする。
・真に知ることは、感覚的に感じ取ることであると認識する。
・魂の言語は本能的感情(無意識的反応)であると知る。
・魂の喜ぶこと(愛)を実践する。それが自己実現〈気付き〉に
繋がる。
本能や魂は頭で知ることではなく、感情や感覚として感じること
だということを確認してください。感じる(体験する)ことが真実
を知る最高の手段なのだということを・・・。
感情には、無意識的なもの(emotion) と意識的なもの(feeling)
があります。無意識的感情(本能)は身体的反応であり、その反応
を大脳周辺系が認識し、その後にどう判断するかが意識的感情(理
性)となります。従って、無意識的感情が生(本能)そのものの反
応であり、その反応をどう価値判断するかという二次的な意識的感
情が思考(理性)だということです。
無意識の感情は純粋です。思考判断以前であり、快・不快を基底
にした本能そのものの反応です。いわゆるこれが「魂の声」といわ
れるものなのです。この声を素直(判断なし)に聞き取ることが真
実を知ることなのです。
しかしながら、本能(無意識的感情)と理性は共に人間の生を健
全に司るためのものであり、密接な相関関係にあります。どちらか
一方を否定したり、肯定したりすることではありません。より双方
を活かす方法を見つけ出すことです。知ろうとすることは理性の仕
事であり、それは生を助けるためのものです。感じることは感覚、
感性の問題であり、生の存続に不可欠の情報収集手段なのです。そ
れが本能(無意識的感情)の仕事です。本能と理性はシーソーの関
係にあります。このバランスを上手く保つこと(互いの独走を検閲
する)が健全なシステムであり、本能を高め、理性を目覚めさせる
ことなのです。
|
|